大規模言語モデル「LLM-jp-4.1」シリーズを公開
国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター(LLMC)は、オープンかつ日本語に強い大規模言語モデル「LLM-jp-4.1」シリーズを公開します。本シリーズは、2026年4月より順次公開している「LLM-jp-4」シリーズの事後学習を改善したものです。主な改良点は、STEM(科学・技術・工学・数学)分野における性能向上、外部ツールと連携する「ツール呼び出し」への新規対応、回答の詳細さの調整の3点です。これらの改良にあたり、事後学習に用いる学習データの大幅な拡充と改善を行いました。
LLM-jp-4.1の技術的詳細は、テックブログをご参照ください。
主な改良点
STEM分野の性能向上
LLM-jp-4.1では特にSTEM分野の学習データを拡充しました。評価フレームワーク「swallow-evaluation-instruct」による評価では、数学、科学、指示への追従などで、従来のLLM-jp-4の同規模のThinkingモデルを上回る性能を確認しました。
ツール呼び出し機能のサポート
外部のプログラムやAPIを呼び出すための「ツール呼び出し」 に新たに対応しました。この機能は、外部ツールと連携してタスクを実行するエージェントシステムの構築に活用できます。
回答の詳細さの調整
LLM-jp-4モデルには、質問で求められていない内容まで回答に含める傾向がありました。LLM-jp-4.1 では要点を簡潔に答えるよう事後学習データを改善しました。数学や科学などの問題では、解答に必要な詳しい説明を維持するようにしています。
API・チャット提供
LLM-jp-4.1のモデル公開に加え、APIエンドポイントとチャットサービスを試験的に提供します。これらは、東京大学が開発・運用する「mdx-MaaS」を通じて、主に研究者向けに提供するものです。 なお、このmdx-MaaSは学術クラウド基盤mdx1のGPUを使用しています。 10月中旬頃から段階的に募集を開始する予定ですので、利用申請や提供条件については、mdx-MaaSのウェブサイト をご確認ください。
モデル
今回公開するモデルは以下の通りです。各モデルはApache License 2.0のもとで公開します。モデルの利用方法や利用条件については、それぞれの公開ページをご確認ください。
- llm-jp-4.1-8b-thinking
- 約86億パラメータのDenseモデルです。
- https://huggingface.co/llm-jp/llm-jp-4.1-8b-thinking
- llm-jp-4.1-32b-a3b-thinking
- 約320億パラメータのMixture of Experts(MoE)モデルです。
- https://huggingface.co/llm-jp/llm-jp-4.1-32b-a3b-thinking
- llm-jp-4.1-33b-thinking
- 約332億パラメータのDenseモデルです。
- https://huggingface.co/llm-jp/llm-jp-4.1-33b-thinking
学習データ
また、各モデルの学習に使用した学習データも公開します。
- 教師ありファインチューニング (SFT) データ
- 直接選好最適化 (DPO) データ
今後の計画
LLMCでは次期シリーズ「LLM-jp-4.2」の開発を進めています。学習データのさらなる拡充や強化学習の導入を通じて、推論能力やエージェント機能の向上に取り組んでおり、これらの成果を次期シリーズに反映し、オープンな形で公開していく方針です。